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かすみ野物語 

序章 親のわがまま・・・ 再生住宅 かすみ野物語

「川越市かすみ野」 30年以上前に公社が分譲した住宅団地の中に私たちは住んでいます。
「東京ゴルフ」「霞ヶ関カントリークラブ」という日本でも有名な名門ゴルフ場が隣接した緑豊かで、閑静な住宅地です。

そんな住宅地に新築転居して25年、子供たちは団地の中で子供時代をすごしてきました。

その子供たちも長男は今34歳になり札幌で就職、とても優しいお嫁さんとかわいい娘と毎日幸せに暮らしています。
7年ほど前に中古マンションを購入し健康素材を使い自分たちでリフォームをしていますが、既にローンの残債はなくなりました。住居費の負担が無いという事は、限られた年収の彼らにとってゆとりある生活に役立っているのです。

一方、次男は31歳いまだに独身で、結婚する様子がありません。
現在は自宅から通うため、少ないとは言いながらも給与はすべて自分が使えるわけでそれなりにリッチな生活をしている事になります。
だけど結婚したらそうは行かない。

それこそ「年収300万で生活するための知恵」が必要な世代の典型的なケースだと思っています。
そんな子供を持つ私達夫婦も、後数年で還暦を迎える年になり家族のありようを真剣に考えているのです。子供の将来を心配するのは親として当然なわけで、それは、そのまま子供と住いとの問題でもあるのです。

親としては次男が将来世帯を持ったときに近くにいて欲しいと思う気持ちが強いのです。しかし、一方では二世帯住宅はあまりにも距離が近すぎてお互いによい関係を持ち続けることは難しいと思っています。

それよりも、それこそ『スープの冷めない適当な場所』に住んで欲しい。
親の早とちりと笑われてしまいそうですが「まだ彼女の姿も見えない」のに住いを探し始めた次第です。タイミングよく中古住宅の売りが出てそれこそ即決で購入する事になりました。


まず、大切な事は既存家屋の診断です。
木造で築30年以上の住宅は地震に対して、極端に弱い構造が多く生命財産を守るという基本的な住宅の機能を満たしていない場合が多いのです。
調査した内容に基づいて、耐震補強をすることから計画がスタートします。

調査の詳しい内容はこちら・・・・


調査の結果、現状の具体的な問題とは、

雨漏れの防止工事
既存家屋を見ると2階の部屋のすべてと1階の広縁、床の間のある和室に雨漏れの痕跡が残っている。どんなに内装や設備を直しても雨が漏ったのでは価値は無いわけだから屋根の点検または葺き替えを考える。

地震対策
和風住宅の典型ともいえる1階が広く2階が小さい住宅のため柱と梁だけで住宅が建っている。2階の洋間は床が下がっているため耐震補強工事をする必要がある。
床材や大引き根太などの交換。
2階の屋根は瓦になっているためもっと軽い素材に変えることが望ましい。

間取りの工夫
和室の充実は図られているものの、生活空間である台所やリビングが狭く暗い。設備は30年前のため更新しなければならない。

電気・ガス・水道の見直し
計画性が無いまま必要に応じて電気や水道を増設してきたため蜘蛛の巣状態になってしまったインフラを取り外し新たに付け替える。
風呂やトイレなどの設備を更新する。

断熱改修
1階部分に出来る限り断熱材をいれサッシについても入れ替える。
残ったところは次回の改装時に見直す。

肝心な予算は、当初の希望は800万としておくが、状況にあわせて最大限度を1000万までとする。
リフォームは特にやり始めると気に入らないところや予想外の問題に遭遇して予算が膨らみやすくなるものです。
あきらめる気持ちも、必要なのかもしれませんね。

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床下の様子 錆びた給水管

屋根裏の様子

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広縁

台所

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偏心率計算、建物調査・報告書

玄関先の様子


再生住宅のテーマを決める 「現代和風・・・・ 土間のある家」

テーマ1  土間のある家

幼いころ育った昔の家のような土間空間も 新しい使い方や工夫によっては居心地の良い場所になるような気がするのです。
まず玄関を広く土間にして、接客やお茶はこの空間で楽しみ土間から広縁や台所、リビングに繋がる導線をつくると面白いのでは無いだろうか。
これが最初に取り上げたテーマにもなりました。

テーマ2  真壁構造と開口部の高さを生かす

既存家屋の構造の特徴を生かす。
今の建物は構造材を壁で覆ってしまう大壁構造。
構造材は隠れてしまうため木材にこだわる必要もないが、和室が多い真壁構造となるとそうはいきません。

この建物は、前の持ち主が茶道教室をすることを前提にして建てられたため、和室は全部で6部屋もあり、すべての部屋が柱の見える真壁構造になっています。

柱のすべてはヒノキでこれから見ても当時としては相当費用が掛かったことでしょう。和室が中心になっているため、内部のドアの高さや建具が昔ながらの基準寸法で作られています。
和室の建具の高さが、今の基準から見ると五尺七寸五分と低いのですが、これをマイナスと考えずむしろすべての基準とすることで本格的な和の空間を大切にする、そうです

古民家再生ではない、和風民家を現代風に再生して新しい命を与える事にした。

テーマ3  京都の町屋風の中庭を生かす

それともう一つ特徴的なことがあり、それは敷地と道路や隣家との関係です。
これも最近はオープンに造られている傾向に比べて、まるで近隣との関係を拒絶するかのように敷地全体が囲われているのです。
そのため、外部から建物の中を見ることも出来ない反面、敷地内や部屋の中にいる限りは周囲の目線を一切気にしないで生活できるのです。

このような与えられた条件を生かしながら健康素材を使い、明るすぎず、暗すぎず心地よい光と影のある住宅を考えて、詳細計画をスタートする事になりました。

以上のことを決めた上で具体的な再生計画がスタートしました。

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image 通り土間のある家

image 広く土間をとった現代民家


間取り・外観デザイン、設備について

玄関部分を除けば基本的に間取りの大きな変更はしないように工夫する事にしました。玄関の脇にあったトイレや茶の間は解体して土間空間に、トイレは階段下に移動して窓を取り付ける。

構造補強のために大切な柱や筋交いを取り、窓を壁にしてここにも筋交いを入れる。和室も含めて床はすべて構造材も交換し入れ替え、1階の和室以外の天井や壁は壊して断熱材を充填する。

2階の瓦は下ろし、構造合板で補強した上で軽いガルバニリウムの瓦棒仕上げとする。素材は変えるけれど屋根の形状や外観のデザインは変えず、色の取り合わせを変えることでイメージを一新する。

土間空間の建具は玄関の引き戸も含めてすべて新しく作り直すが、和室の続き間などは壁の塗り替えと障子や襖を張り替え、畳を交換する。

設備は、キッチンはIHシステムキッチンにして、風呂をユニットバスとし、洗面設備を入れ替えトイレも交換する。
既存の電気配線や給水配水管はすべて取り除き、新しいものに交換する。
こんな計画に基づいて、具体的な工事のスケジュールを立てる事になりました。


大工を決める。
計画の中心となるのはやはり大工、それも昔の木造住宅を造った経験豊富な大工でなければならないのです。
あくまでも、真壁構造の建物を大切にしながら作り上げるというテーマに基づいて進める以上、壊した後のことまで考えながら作業を進めていく事になります。

既存部分を「ただ壊せばいい」というわけにはいきません。
こちらの工事予定と大工の日程とのすりあわせから当初予定していた大工さんは無理となり他の大工さんとの打ち合わせになりました。
玄関から繋がる土間空間を作るために、茶の間やトイレは解体撤去しますがそれ以外の部分は極力間取りの変更はしない計画です。

ただし、床や壁天井は和室の3部屋をのぞきすべて壊し新しくします。
これは、耐震補強と断熱工事をしておく必要があるためです。
6月1日より工事着手という事になりました。


工事着手

6月1日から 工事着手

工事に入る前に作業としてやってあったことといえば、シロアリ処理と汚れていた柱や梁そして建具の洗いという作業です。
そして畳も交換することが決まっていたため外してありました。

新築してから30年を経過していたこの建物は、今まで見てきた建物よりは状況は良いものの耐震性はありません。

現在ハッキリいえることがあるとすれば、1981年以降に建築された建物以外の中古住宅特に木造住宅は再生工事をするにしても基本的な部分が出来ていないため費用と時間が掛かるということです。

大工には一通り現状を説明してありましたが、解体工事を進めてみなければ見えない部分もたくさんあり「とにかく壊せるところから進めよう」という事になったのです。

これから必要と思われる構造材の種類や数量も壊しながら検証していく事になる。
本来ビジネスベースで見積もりを前もってやるのだとしたら今回のような事は出来ないため、どうしても余分な部分まで安全率を見て積算しておかなければならない事になる。

「新築○○さん」は定額制を売り物にしているがこの規定金額で希望する内容は出来ないと思う。

和室の床板は構造用合板にするかどうか考えたのですが、30年たった既存の杉材が思いのほかしっかりしていたので、幅広の厚みのある杉板にすべて交換して、一部の大引きや根太は入れ替える事にしました。

天井裏や床下のいたるところに30年掛けて無計画に配線や配管が入り乱れている姿はクモの巣状態といっても良いくらいです。
これも今回すべて取り外し新規に配線、配管する事になります。

窓も必要でないものがあり取り外し入れ替える事になるため外壁も塗装前に左官補修が発生します。

この解体に要した大工の人工数は、ほぼ20人工、2トントラック七台分の解体ゴミが発生したのです。

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003ex_002.jpg 写真左上
取り外された2階天井 クモの巣状態の配線
写真上
解体された2階床部分
写真左
1階床を剥がし、床下がむき出しに

屋根の葺き替え、内装の解体

6月11日から  二階部分の天井をはがし一部床も取り外す。
2階の洋間一室と和室の続き間の天井をはがしてみる。

30年間のゴミやホコリと小鳥の糞が、頭の上から「バサッ」と落ちてきてあたり一面ホコリだらけになってしまった。

天井裏から屋根裏を見ると所々「青空が見えている」
「雨が漏るのは当然」と一同 変に納得してしまう。
さて1階の雨漏れの痕跡から原因箇所を調べる事にした。

広縁、台所、和室の床の間前の天井の雨漏れといろいろあったがあまりにもあっけないほど原因が簡単に突き止められたのでした。
雨漏れの原因はたくさんあるが、今回の現場では、屋根、サッシ周り、板金部分と考えられるあらゆる場所で発生していた。

新築時に屋根を葺くのと再生で屋根を葺き替えるのとでは、既存屋根を壊し廃材処理をしなければならない分だけ間違いなく高くなってしまう。
6人掛かって2階の屋根瓦を外し防水もやりかえる工事は新たに屋根下地合板を貼り防水まで一日で終わらせなければならない。

毎日日替わりのように雨が降る梅雨に入ってからの工事だから段取りと業者同士の協力が無ければ出来ないのです。
廃材も4トントラック1台、結構この廃材処理費用が馬鹿にならない金額になる。
1階部分と新たに葺く2階の屋根材はガルバリウム鋼板にして屋根荷重を軽減する目的もあったのです。

昔も今も建築時に和風住宅は床の間や客間としての和室は棟梁が工事して2階部分は、まだ経験の浅い大工が施工する。
素人でもわかるほどその技量の差がハッキリとしていて面白い。

もちろん木材も、良いものは当然1階の和室に使っている。
大工は本来建物を造るのが仕事ですから、10日近くもひたすら壊し続ける作業は楽しいわけが無い。
そろそろ造る作業に入る事にする。

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梅雨の合間をぬって屋根の葺き替え


現場が一番

台所と居間は大引きとネタの高さを揃えるとともに、材料も新しくします。
3.5寸のヒノキ集成材を三本取り寄せ、一番建物として負担の掛かっている部分を柱とダブル筋交いに加工して補強する。
その上の2階の洋間の角は、1㎝以上下がっていたため下から押し上げながらレベルを揃えていく。

1階も2階も洋間は構造用合板を互い違いに二重貼りし床面の強度を強くした。もちろん、和室も含め床には断熱材をいれ今迄のような隙間だらけで寒い環境はなくしている。

浴室は、ヒノキの土台の一部が完全に腐り、間柱も根元は腐っていた。これも交換して、新しい浴室にはユニットバスを使う事にしました。現場で作る浴槽に比べてもデザインや機能的にも優れている上、何よりもメンテナンスがラクなのが良い。

様々な組み合わせの中から気に入った内容を選び、メーカーに発注しておいた。洗面設備も、新型のデザインのよいものがちょうど発売になったため手配をする。

このように、その場で判断しなければならないことが多いので、現場には煩雑に行っている必要がある。
大掛かりな再生住宅は、この現場管理が出来栄えやコストにストレートに影響することだろう。

新しくサッシを取り付ける場所や、取り外す工事などに伴い外壁の補修が必要になってきます。外壁はモルタルに吹き付け仕上げをするわけですが、出来上がれば見違えるようになると期待している。

本格的にすべてをやりかえるという前提であれば外張り断熱にして左官仕上げも考えられるのだが、だとすればサッシも含めてすべてを入れ替えることにもなりかねないしその場合、真壁構造の仕組みそのものを大壁にする事になってしまう。
費用もさることながら、この現場の基本的な概念が異なる事になる。
限られた予算を使い「既存の建物の良い部分を基本にして新たな命を建物に吹き込むなんて格好いい事を言っていたわけだから、これは我慢のしどころなのです。

しかし、新築同様ほとんどの業者が入り込んでくる今回の工事は段取りのよさが大切である事は間違いない。
あらかじめ想定していたこと以外の問題や施主からの希望が出てくることを考えると、現場一番といわざるを得ないようです。

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外壁の補修部分 設置されたユニットバス

現場が一番

6月20日 業者の支払を段取りする。
職人さんは、月々の支払が日給月給のような支払いになっている場合が多い。

大工さんも、6/1から6/20までの手間賃をまとめて月末には支払う事にした。稼働日数15日延人工は34人工になっている。
一日当りの手間賃は、能力や地域によっても異なっているのでここでは、書きません。

最初から工事範囲が明確な新築などは全体の大工手間があらかじめ決めることが可能だが、今回のように、一つ一つ検証しながらの工事では不可能なことである。
だからといって、いくら費用が掛かっても良いというわけにはいかないため予算としての割り振りはあらかじめ決めてある。
ようは、その予算の範囲か近似値で終われば言いということである。

工事延べ床面積あたり一人工、内訳は解体調整0.4人工、取り付け造作手間0.6人工と考えている。
ここは、48坪の建物だから48人工ということである。

あとは、一人工いくらの手間になるかは能力や仕事の難易度によっても違ってくる。20日までに34人工ですから、予定から言えば残り14人工で終わらなければならない事になる。

残っている工事は、土間部分の仕上げと2階の洋間の天井と壁のボード貼り、廊下の床仕上げ、洗面のボード貼り、トイレの造作程度があるだけで残りはほとんど雑工事と読んでよいような内容だからほぼ予定内に収まるような感じがするのです。

内装仕上げも和風住宅の原点に戻って「漆喰仕上げ」にする事にした。
既存の京壁をはがし、下塗りをして漆喰を仕上げるわけだが茶室になる和室は京壁を残す。

全体の色は白が基本になり木がアクセントとして使われるシンプルなものになるが障子や襖、畳などが入ればそれなりに和風の持つ独特の雰囲気を作り上げてくれることだろう。

息子も不思議と和風の雰囲気を好きなようで楽しみにしているのがわかる。

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床組・内装が撤去された台所部分 張り替えられた床下地

現場が一番

6月23日
ユニットバスが取り付けられた。
白とステンレスのメタリックな風合いが気に入っている。

大工さんは2階の和室の天井仕上げと洋間の石膏ボードを張っている。
階段はそのまま使うため赤みのある階段にあわせて、廊下は同じ色合いの床材を貼ってもらった。

トイレを除いてはすべて新しい内装仕上げに大変身なのだが最後の仕上げとなる塗装が決め手になるだろう。
1階では左官屋さんが3人昨日に続いて京壁をはがしながら下塗りをしているのだが下塗りはもう一日かかる様子である。

1階の見せ場となる場所は棟梁の仕事になっているようで二人の大工さんは手を出さない。このあたりは昔ながらの役割分担が続いています。

内部では改装しない場所は2階のトイレのみで、それ以外の場所は床、壁、天井とも左官仕上げやホタテ貝の塗料で仕上げます。
床はコルクタイル・・・厚みが8ミリと一般に使われる床材に比べて厚みがあるため1坪なんと3万円、これにはびっくりしてしまいました。
そのほかはナラのムク材やタイル仕上げになります。

屋根は全面葺き替え、もちろん雨樋も取替え、外壁も吹き付けをするわけです。おそらく、全体の90%程度の再生工事となっていることでしょう。

それでは残ったものが何かというと、2階サッシのすべてと1階の和室周りのサッシ交換、それと断熱工事が少しだけ残っています。
予算的なこともあり、この程度はあきらめる事にしました。

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塗り替える京壁の下地処理の様子 キッチン床は清潔なタイル

猛暑

6月25日
暑い、猛暑です。
現場で熱中症になって倒れる人が出てもおかしくないくらいの暑さ。
これが、天気予報では一週間も続くのだという。

建築工事の大敵は雨なんだけど、具合が悪くなるほどの暑さは勘弁して欲しい。再生工事は、外部はペンキの下塗り処理に塗装業者さんが来ているが途中で引き上げていった。

さすがに外仕事は限界だと思うのです。
家の中では、大工さんが3人と左官屋さんが3人入って工事をしています。
風通しの良い住宅内での仕事とはいえ蒸し暑さは工事の能率も悪くするようで疲れる事は間違いない。

左官は既存の壁仕上げの剥離が終わり仕上げのための下塗り工事が今日で終わるようです。細かい部分は、大きな壁面よりも作業が難しいようで苦労しています。

大工さんは、トイレの造作工事や土間の付け框の取り付けと二階洋間の石膏ボードの取り付け作業が着々と進んでいます。
和風住宅は、ある意味では洋風住宅よりデザインから見ると華やかに仕上がるのだと思う。

工事業者さんの多くは、完成後の姿を見る機会がほとんど無いのですが、今回は完成後にお呼びして自分の仕事が最終的にどんな姿になったか確認してもらおうと思っています。

それにしても暑いですね。


大工工事 完了 仕上げ工事へ

6月29日
新潟では豪雨被害がある反面、九州や四国では水不足になっている。
川越もしばらくの間、猛暑が続いていたけど今日は雨。
雨もたまに降るのであれば、疲れた体を癒してくれる恵みの雨にもなります。

現場は、大工工事も残り少なくなりました。掛かっても後4人工程度でしょう。
解体工事も含めて48人工、ということは工事面積あたり1人工だったという事になります。

大規模な増改築を前提とする再生住宅となると、経験豊富で人柄も良い大工さんに当るかどうかが決めてだとつくづく思います。
そういう意味では、今回の菅野棟梁を中心とした3人の大工さんは本当に良かった。

現場で次々と発生する問題、それは想定の範囲内とばかりはいえないことがありその対応力が抜群でした。
参加してくれた業者さんは、段取りよく仕事を進めてくれていたので気持ちも良かった。

近くで「新築そっくりさん」の工事が同時に進んでいましたが再生住宅は大掛かりな解体が前提にあり、間取りの変更や屋根外壁の交換などがあるため「住みながら」工事をする事は不可能です。


7月1日
最終的な完成時期は7月の中旬の予定で動いてきました。

様々な職人さんが現場に入ってきています。
大工さん以外に左官屋さん、塗装さん、水道業者さん、建材業者さんはキッチンの搬入取り付けです。

工事を始めて1ヶ月、今日で菅野大工さんは再生工事が完了です。
解体工事から始まった大掛かりな作業の中心にいつも大工さんがいたのですが明日から会えないと寂しい気がするのです。
とにかく本当にお疲れ様でした。

仮住いをしないで作業が出来る改装工事と違って、構造から間取りの変更まであるのが前提の再生住宅は、なんといっても大工さんが中心に進みます。

それと、注意しなければならないのが廃材の処理ですね。
今回の最終的な廃材処理量は2トントラック8台。費用的にもかなりの金額になっていることでしょう。

この廃材を一時保管するスペースも敷地内にないと、細かくトラックの手配がいるか、または、一時他の場所に移動してから処理が必要になり予算も余分になります。

難しいのは、これらの金額をあらかじめどのように見積もりとしてみておくかです。基本的には業者さんが作業するときに発生したゴミは、自分たちで引き上げているわけですがそれ以外のゴミがこれだけあると考えておかなければいけません。

同じゴミでも、畳などは別の廃棄処分が必要になり価格も高いことを承知しておいたほうが良いでしょう。

現在残っている作業は、ペンキ、左官、タイル、水道、電気、畳、建具、造園ですが毎日入れ替わり立ち代り業者が入ってくるので楽しみな時期でもあります。

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システムキッチンの取り付け 外装工事もほぼ終了

大工工事 完了 仕上げ工事へ

7月3日
近所で「新築そっくりさん」の完成現場見学会がありました。
同じように30年前の住宅ですが、基本的にどこまでやっているか楽しみです。

標準仕様とは別にどれだけオプション工事があったのかわかれば金額はおおよそ見当は付きます。

見てきました。
オプションとハッキリわかるのが既存の屋根材にかぶせた屋根工事と一部サッシ交換とそれに伴う外壁の左官工事、バルコニーの交換、食器洗い洗浄器程度かもしれませんが37坪の工事総額としては約1000万円でしょうか。

内装仕上げは、和室も含めてクロス仕上げ、床材はカラーフロアーで一般的に新築される住宅と同じ仕様でした。
工期は、3ヶ月ほど掛かったといいます。

家の中で何度も引越しをすることが必要なため、いっきに工事を進められないため仕方が無いのですが、それならいっそ仮住いをして工事をしたほうが本人や家族もストレスが無く工事関係者にとってもありがたいはずです。

工事金額も、安くなるため仮住いの費用は十分にまかなえると思います。
私は、再生住宅として工事をするときも健康を考えた場合、新建材は使いたくないと考えています。30年前の住宅を改装する場合は内装や外装など見栄えも大切だがなによりも水道や電気などの配線配管をやり直す必要があるはずです。
このあたりについてはどうなっているのかわかりませんが、再生住宅はこの工事と耐震補強を最優先として考えています。

ただ、「新築そっくりさん」も古い建物をただ壊せばいいと考えないわけですから取り組む基本姿勢は変わりません。

ただ、改装するに当っての考え方が異なっているのです。
再生住宅とは、構造補強はもちろん屋根材の交換、こだわりの健康住宅仕様で給水のやり直し、サッシの交換、断熱工事、内外装工事、設備の一新までしたいのですがここで問題となるのが予算です。

間取りの変更や増築が無かったとしたら税だけは別に見て40坪、1000万円で終わらせたい。坪○○万は好きではないが、25万で本当に新築同様の性能と内外装設備が一新できたらと考えています。課題でしょうかね。


仕上げ工事 進行中

7月4日
今日は一日雨が降り外仕事の業者さんはお休みです。
しかし内部の漆喰塗料の仕事が多い塗装業者さんは朝早くから2人で石膏ボードの下地処理のパテを乾いては塗り、乾いては塗りと3回繰り返す作業があります。
それは恐らくあと一日は掛かることでしょう。

そのあと周りの木部などのビニール養生がありその上で初めて塗装工事ができるのです。ビニールクロスならとっくに終わっているであろう今回の内部仕上げ工事ですが、健康にも良い本物の仕上げをするとなると簡単にはいきません。

確かに毎回やっている仕上げとはいうものの 改めて現場に行ってみると手間賃が高くなるのも納得できるのです。
世の中の趨勢である安く早く簡単という傾向と反対の工事をしているのも、愛着を持って長く使って欲しいと思う気持ちがあるからですが、工事期間中お客様も作業の流れを見ていれば納得行くのではないでしょうか。

昨日見たリフォーム現場と比べると、一つ一つが時間をかけた仕事といえるでしょう。

玄関の敷居に使う黒御影石が運ばれてきました。
実は3日ほど前に搬入予定でしたが、途中で折れてしまい急遽新しく作り直したものです。

玄関内外の基礎部分は黒墨とモルタルを混ぜた仕上げにしてあります。
敷居とも色を合わせて漆喰の壁の白さを際立たせてくれると期待しているのですが・・・

次々と工事の進行と共に、業者さんの工事金額も確定してきます。
最終的な金額については、このホームページで公開しますのでお楽しみに。

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石膏ボード 継ぎ目・ビス穴パテ処理 欄間等の木部養生

仕上げ工事 進行中2

7月8日
2日間、仕事のお付き合いで現場に出かけることが出来ませんでした。
現場では塗装工事やキッチン前のタイル工事が進んでいます。
畳や建具は既に工場で製作されているはずで現場納入を待つばかりになっています。

内部の大きな工事は、壁や天井の塗装と床のタイルやコルク仕上げと土間のタタキが残っています。

造園工事の手配とか、ロールブラインドや照明器具など必要な工事の追加をお願いしていますが、施主としての立場に立って今回の現場を見るわけですが様々な要望や????と思うような工事が出てきて再生工事の難しさを感じるしだいです。

今日も左官屋さんと塗装業者さんが現場に入っているのですが、追加になった部分の工事をしています。
最終金額が確定するまで気が抜けません。


7月9日
小雨交じりで肌寒い朝になりました。
こんなとき外回りの現場は結構判断が難しいのです。

現場に出かけていいものか、それとも中仕事に行ったほうが良いか、全体の工期とにらみ合わせながら仕事の段取りを組まなければなりません。
かすみ野の現場は、玄関に御影石の敷居を取り付けています。
この敷居はなんと3本目になるのです。

1本目はトラックに積むときに割れてしまい急遽作り直した敷居は寸法を間違えたようでやっと玄関に三本目にして収まる事になりました。

外壁は、サッシ交換に伴い一度は仕上げたのですが後から左官工事をした場所と既存の外壁の質感が異なるため全面的に左官をやり直して漆喰を仕上げる事にしました。

川越の蔵作りの外壁にあるような質感の仕上げが出来上がることでしょう。
それとあわせて基礎も墨モルタルにして外部の塀も工夫を加え墨モルタルの櫛引仕上げにします。
たったそれだけで相当印象の異なる住宅が出来上がることでしょう。

洋風住宅が全盛の時代だからこそ本物の材料と職人の匠な技が作り出す飽きのこない住宅です。それは「なにか懐かしい住い」それでいて「粋な住まい」。現場にいる職人さんもこんな住宅にかかわるとこだわりを発揮するようで「そこまでやるの」と思うような工事をしています。

「金も大事だけどやりがいのある仕事をしたい」これが彼らの本音です。
そして彼らが一番全体の出来上がりを楽しみにしているのです。

現場で建具とブラインドの打ち合わせをしました。
和風住宅のイメージを大切にしたいため窓は障子と同じような色と質感の「モルザ」という和紙風のブラインドを選択して内外から見たイメージの統一を図ったのです。

やらないままに済まそうと考えた場所も改装したところが綺麗になってくるたびに残していたところが気になり結局なんだかんだといいながらも改装してしまいます。

リフォームの予算が当初から比べると高くなってしまう原因がここにあるような気がしますが、あなたはどのように思われますか。
ここまで工事が進むと来週中には、ほとんどの工事が完了して後は最後のお化粧が少しだけ残っている状態になっていることでしょう。


仕上げ工事 進行中2

7月11日
昨日は日曜日だったけれど、床の仕上げが火曜日から始まるため内部の塗装工事はそれまでに終わっていなければいけなくなります。
そのために塗装業者さんは休みを返上して仕上げ工事をしてくれたのです。

どんな仕事でも自分だけで終わることは無いために次にバトンタッチする人のことを考えてやりやすいように工事を進めてくれる人は大切です。
仕事上の他の人との関連も頭に入れながら仕事の順番に優先順位をつけてくれているわけです。感謝

外部の足場も15日には取り外す予定になっているので雨樋の取り付けもそれまでには完了します。
いよいよ最終工程になって来ました。

玄関や道路面の外壁補修(やり直し)は漆喰に変更されますがこれも火曜日には完了する予定です。
漆喰の外壁は、雨やホコリで汚れが付きやすいのですが、その点この家のようにしっかりと造られた昔の住宅は、庇の出が長くそのために外壁の汚れや劣化が少ない日本の気候に合った建物に造られています。

今回の再生住宅も30年という歳月を経た割には外壁のモルタルはヒビ割れも少なくしっかりしています。
柱も玄関の一箇所を除けばほとんど狂いや割れはありません。
それなりの材料と経験豊かな職人が時間をかけて造った建物だからこそこうして再生可能なのだと思います。

建売のように、それと反対の条件で造られた住宅の30年後の姿は再生住宅『鳩山物語』に詳しく乗せてありますのでご覧ください。
30年という歳月が見事なくらい本物と安物の違いを表したのです。
今も、当時と同じように長持ちする家と寿命の短い安い家が造られ続けています。
30年も経っているのに家を造るスタイルは変わらないですね。


7月14日
台所とトイレには白い300角タイルが目地つめを残して完了した。
廊下や食堂はコルクタイルにしてあるのだがこれも2人で施工して今日完了。
次々と完成する姿がハッキリとしてきたのです。

外部の既存の塀もイメージを一新。
必ずしも新しくしなくても工夫をすることでまったく違った姿になっていきます。
土間に使う赤土は18キログラム入りで93袋。どんな仕上がりになるのか想像すると楽しいのです。

現場で仕事をしている職人さんは今回の家を楽しみながら造っています。
和風住宅は本当に少なくなったけれどそれだからこそ若い人にも新鮮に写るでしょうし年配の人には懐かしいのではないでしょうか。

建具も現場に搬入されますます建物内外の表情が豊かになってきた。
明日は、足場がはずれ外回りの水道工事ができる予定です。

家族で、出来上がった2階から少しづつ掃除を始めました。
これも業者に依頼すると12万以上の請求が来る項目です。
自分で出来るところは自分でやる。
といっても限られていますが。


仕上げ~再生完了へ

7月15日
この何日間は、お米の作柄を心配するほど涼しい日々が続いていましたが、今日は一転して真夏の太陽が照り付けています。

ここまで再生住宅の工事が進んできて改めて感じたことがあります。
今回は、息子に変わって施主としての立場が半分、施工者としての立場が半分の工事だったのですがリフォームというのは、どうしても予定外の追加工事が発生してしまうということです。それも予算を心配しながら恐る恐る進める場合もあれば「いい、やっちゃえ」とかなり思い切って決断をする場合もあるのです。

私は、施主としての立場で考えると最初は「鳥の目」で見ているような気がしてなりません。そもそも再生しなければならないほど使い込まれ古くなった家全体を見ているわけですから、少々の傷や設備の古さは気になりません。

ここで、業者とリフォームの打ち合わせをすれば当然最初に気になるのは全体の予算ではないでしょうか。
「これはまだ使えるから交換はしない」「この部屋はやらなくてもよい」などとできる限り予算を増やさない打ち合わせになるのは当たり前だと思うのです。

ところが、実際に工事が進み見事なくらい再生した姿が現れてくると今まではそのままで良いと思っていた場所が、やたらと気になってきます。
全体的にも、部分的にもここでの目線は「虫の目」になってしまうのです。
ここで追加工事が発生していくのだと思います。

この時点での問題は、見積もりを最初から取っているわけではないため請求されて始めて金額が明らかになるケースであるため、トラブルになりやすいのでは無いだろうか。
それなら最初から、見積もりとしては設定しておいてその項目を追加依頼すればよいのかもしれません。

当然当初の予算に比べて増えているわけですから最初からそれも含んだ契約とはなりませんが、少なくとも安心して工事を進めることは出来ます。
現場の施工者は、良心的な人ほど最初から「虫の目」で工事を進めていきます。

些細な場所でも、気になって仕方がないのか「そんなとこはいいよ」といっても手直しを進んでしていくのです。
彼らにしても、仕事が進んでくるにつれて今まで以上に汚いところや傷が気になるのでしょう。

工事全体に施主として管理者として再生住宅を進めてきているので今まで以上に勉強になっています。
これらは最後に総括してみたいですね。


7月16日
そろそろ梅雨があけて夏本番を迎えます。
しばらく住む予定は無いのですが、この暑さの中でなんに使うにしてもエアコンは必要と考えてコジマ電気まで家内と出かけました。

女の人は不思議な事に、現実に住まないにもかかわらず生活の光景を思い描きながら家電製品を見ているのか、お店の人を呼びあれこれと質問をしているのです。
私は傍らで聞いていたのですが、ここは口を挟むとまずいと考えてテレビなどがあるブースへ移動。

その間に、1階と2階のエアコン4台と冷蔵庫や洗濯機まで決めていました。
ここまで出来上がってくると、20年以上住んでいる今の家よりも広いし快適になった再生住宅のほうが綺麗だと思います。

ただ、難点は駐車場が1台分しかないこと。
やはり、お茶のお稽古やお料理教室、そして再生住宅のモデルハウスとしてしばらく使うことが良いようです。
それにしても、息子のお嫁さんが決まってくれることを期待する父ですね。
今日朝から植木屋さんが剪定に入りすっきりとした庭が出来上がる予定です。

最後まで残ってしまうのが・・・・・
土間の仕上げになりそう。
ここは、古くから造られていた「たたき」「三和土」と書くようです。

当たり前すぎた技術が、失われ誰も造り方を知りません。
川越では漆喰や土間を使った蔵作りが有名なので、必ず補修する技術を持った職人がいると思い調べ始めたところです。

それにしても、左官業者もこの調子ですからプレカットが当たり前になってきた木造住宅も下小屋で墨つけや刻みをしなくなり技術の伝承が益々失われていくのかと寂しくなります。

ほとんどの工事が7月20日を完成目標に進んでいきます。
支払も確定してきているが、予算の範囲に果たして収まるでしょうか。
建具も一部搬入され益々家らしくなってきました。
電気屋さんも照明器具の取り付け工事に来ています。
現場に山積みになった照明器具の箱が片付けばずいぶんすっきりとするはず。

残された工事は、水道工事と畳など一部の仕事になる。
ここにきて最後のお化粧仕上げを考えるようです。
今回の再生住宅のデザインとコーディネートは妻です。
彼女はお茶、お花など様々な趣味を持ち会社のコーディネーターも担当しています。男的になりがちな現代和風の家を、女性の視点で決まりごとはしっかりとこなしながらも常識を飛び越えた提案があり、私も出来上がりを楽しみにしているのです。


7月17日
今日は日曜日、本当は工事をしない予定だが中の仕事と昨日残した庭の手入れに職人さんが仕事に来ています。
庭はこんなにもすっきりするのかと感心してしまうほどに、綺麗に整理されました。

問題は、玄関内部のたたき(三和土)
寂しい事に、60代の左官職人さんも仕事はしたことが無いという。
急遽、プロフェッショナルの左官屋さんにお知恵を借りようと思い立ち電話をかける。その左官屋さんは都内で先端の店舗作りに左官業者として参加している清成さん。

しかしさすがに三和土は経験が無いということで川越の蔵作りの家の漆喰やたたきを工事している中村左官さんを紹介してもらった。
結論は、土は荒木田土・・・荒川の荒木田で取れる粘土質の土で相撲の土俵などに利用されているものらしい。
一般的にこのような土間が作られることは無いため当たり前だった技術だけでなく知識も失われてしまいます。

今回は、中村さんのお知恵を拝借しながら左官屋さんと試行錯誤しながら三和土をつくっていきます。すべての完成予定日は、7月20日と設定しているのですが心配なのはこの三和土。
創作下駄箱、式台などは、この三和土が完成しないと寸法を取ることも出来ないため完成が待ち望まれます。

そうそう、今日はかすみ野団地の夏祭りです。
団地内の商店街も姿を消し60歳以上の人たちが多くなり子供が少ないためますます寂しい夏祭りになっています。

通勤には不便かもしれないが緑豊かな環境は住む人にとってはこの上なくよいもの。便利さを求め続けるのはそろそろ止めて、プチ田舎の団地に住むことをおすすめしたい。

別荘は日本ではなかなか活用されないが、都内に出たいときにチョットの時間を使えば出て行ける環境は捨てがたいと思いませんか。
土地の価格も、中古住宅の価格も一時と比べると大幅に安くなった今、20年もしないで資産価値がなくなるような建売住宅を買うのなら、質の良い中古住宅を再生すれば固定資産税も安く土地や建物も広い家に住めると思います。

それは信頼できる業者に頼んで、築年数ではなく内容の良い中古住宅を探せばいいのです。
若い人たちが、アメリカのように最初に持つ住宅のスタイルとして「中古住宅」を考えるのが当たり前のようになれば結果的に質の良い新築住宅の建設が進んでいくはずです。

当初安くても、将来資産になる家でなかったとしたらただ安いだけでしかありません。この団地のように、空き家もポツポツある状態も若い人が中古を購入して住むようになれば団地の夏祭りもにぎやかになるはずです。

ちなみに、土地が60坪程度の不動産物件が2000万円程度の価格で手に入ります。建物の内容にもよりますが、再生できる住宅なら建売よりもはるかにお得ですね。

この団地では古い住宅はすべて住み主が業者に依頼して立てた建物です。
それなりに良い住宅が多いのですがそれでも建物の目安は、出来れば築20年程度の木造住宅です。


7月18日
坪20万円から・・・・
住みながら新築同様になる。
工期は新築の半分。
こんな都合の良い広告を見せられたらその通りに出来ると思うのは当然だ。でも実際は、オプションがたくさん出るだろうし工事期間も新築並みに掛かるはず。
なにしろ、一番の問題は「住みながら」という事にあるのだと気がついて欲しい。誰だって、引越しはわずらわしいし費用もかかるので出来れば避けたいものですが現実には、住んだまま出来る工事というと限られてしまうのだ。

構造からやりかえれば相当な騒音と廃材も発生する。
家具を移動しながら工事をしなければならないのだからそれは誰の責任なのか。職人が仮に動かして工事を進めていくとしたら工事の進み具合よりこの移動や養生に手間が掛かるのは目に見えている。

しかも、施主がいるのだから工事時間も職人の都合の良いようには出来ないでしょう。
工事期間中のストレスは、施主ばかりか工事関係者にもかなりあるのです。

なによりも、根本的な再生工事はただ綺麗になれば、設備が新しくなり便利になればよいということではないはず。
基本的に新築と同じ内容を持っているのと今までと同じ期間は耐久性が求められるはず。
だからこそ、仮住いをした上で工事の進行を楽しみながら待つほうが良い。最低でも、一週間はお風呂に入れないわけだし食事だって工事をしているそばではおちおち食べていられない。

何より肝心の費用がいったいいくら掛かったのか公表されることが無いのが不思議ではないか。うたい文句のように、20万円で完成したこれらの建物はどんな家になっているのか。
間取りの変更は追加工事だということだから、チラシの写真はすべてオプションという事になるのではないか。

それにしても、完成した建物を見る限りは新建材や塩ビシートを多用した建売住宅と大差が無いのが気になります。
私は、今回の再生住宅では自然素材を使った工事をしています。
比べてみれば一目でわかることでしょう。

間取りの考え方や、住まい方はそれぞれのスタイルがありそれにあわせた仕様があるとしても「健康」にこだわって自然素材の家を求めてもいいはずだと思うのです。

ところで、古くて新しい「たたき」は大苦戦しています。
最初に捨てコンクリートを打っていたのだが、どうもこれは良くないという。
土間は適度な湿度が維持されないと割れてしまうのだ。
だからこそ、土間の下も土で無ければならない。

せっかく打設したコンクリートのはつりを半日掛けてやる事になった。
タイルなどであれば簡単に施工が終わるのだが、本物の土間を造るためにはここは妥協しないで工事を進める。

キッチンの床に敷いたタイルの目地を今日埋めてタイル工事は完了。
8mmという薄いタイルを選んだためにここでも様々な余分な工事が見えないところで発生している。
床の剛性を強くしなければ割れてしまう恐れがあるため合板は二重に貼りしかも今回の目地はセメント目地ではなく柔軟性のあるものを取り寄せた。
目地の剥離も考えられるほどしか厚みが無いからです。

仕上げ素材を選ぶときには、工事のからみやメンテナンスも想定しながら選ぶ必要がある。これらはそのまま工事の質ばかりか予算と工期にも影響するのだから。
だから、リフォーム業者は簡単な新建材で工事をするのだが。
今回の再生工事で新築業者で参加しなかったのは基礎業者だけ、これだけでも再生とは新築に近づける工事だということがわかります。


7月19日
今日と明日でほとんどの工事が終わる予定です。
残っている業者さんといえば、水道業者・電気・左官・建具・カーテン・畳・廃材といったところです。
これだけの業者がまだ残っているのに後2、3日で終わるのかと思う人もいるのですが水道と電気、左官を除けば作ってあるものを取り付けに来る、または廃棄物を取りに来るだけの仕事でしかありません。

それこそ、現場では見えないところで着々と準備されているわけです。
これまで掛かった仕事はこれらの最後の仕上げ工事のための下準備とでもいうことが出来るかもしれません。

工事に毎日といって良いほど立ち会ってみて改めて感じるのは、仕事の段取りが8割で仕上げは2割だということです。
私たちも、お客様であるあなたもこの2割の部分を見ているわけですが工事時間の割合も仕上げ工事は2割だと思って間違いありません。

だとすれば、いかにして下準備の時間を効率的に進められるようにするか、業者同士の密接な連係プレイが重要になってきます。
住みながらの工事となるとこれが出来ないのです。
一日で終わる仕事も、少し残して来週と言う事になればバトンタッチはうまくいくわけも無く結果的にコストも高くなるのは当然のことなのです。


7月21日
土間のたたきを仕上げてみたが、一日経ってみると亀の甲羅の模様みたいに全面的にヒビが入っている。
予想はしていたとはいえ、急激に乾かすことも原因と思う。

昔は、ただ同様で身近に調達できる土や砂、石灰を混ぜて手間と時間をかけてゆっくりと作り上げたのでしょうが、現在は手間が高い時代。
むしろ材料を使って工事するほうがよほど安いのです。

例えば、タイルを貼るのであれば単純に考えると15平方メートル程度の面積は15万円で仕上げることが出来る。
これは材料と手間とあわせた工事原価です。

ところが土間は土と砂や石灰の材料は10万円、材料だけ考えてもタイルのほうが安いのです。手間という事になるとタイルなどと比較にならないほど掛かると思う。

補修に掛かる時間を考えると最低でもタイル工事の倍程度になってしまうだろう。究極の土という自然素材を使った工事は面白いのですが、仕上げは一年程度掛かると考えないといけないのかもしれません。

割れても簡単に補修が出来るのだから、根気よく作り上げる覚悟が無ければお勧めは出来ない。でも、なんともいえない不思議な感じ。子供のころの原風景を思い出しているのかもしれません。

玄関ポーチもタイルではなく『玉石の洗い出し』をお願いしてあった。
本当は今日みたいに猛烈に暑いときはモルタルの乾きが早すぎるのだが仕方ない。細かい二分石を混ぜて塗り乾く前に鏝で磨きだしてもらう。
チョット休憩などといっていたら固まってしまうので三時間は休みなしで工事をする。夕方には完成し玄関らしい雰囲気になった。


7月22日
玄関のたたきは一週間以上急激な乾きを抑えるための養生を外せません。
今日は最後のゴミ処理を完了します。
都合2トン車8台、満載になるゴミが現場から出ました。
そのほかに瓦やトタンなど屋根材の処理に4トン車2台。
これらのゴミ処理費用も馬鹿にならないのです。

今回のように、一時的にゴミを集積できるような現場はいいのですが置き場も無い場合は廃材処理の費用も相当割高になってしまいます。

今日の工事は、いよいよ畳の設置。
和室は畳が入らなければ部屋らしくなりません。
それにしても木造住宅の最大の問題とは冬の隙間風、畳の部屋は敷居の下などに隙間がたくさんありここを埋める必要があります。

おばあちゃんの知恵というのでしょうか、昔を思い出して新聞紙を使う事にしました。敷居や床の間の部分に新聞を筒状にして詰め込んでいきます。
さらに床一面に新聞をしいて隙間風を遮断すればよいのです。

広縁に畳が5畳、和室5部屋に32畳もの畳が敷きこまれて家らしい雰囲気が出てきました。
窓周りは、障子の無い広縁や和室、洋間にも和紙風のブラインドを取り付け外から見た印象を統一。
残っている工事は、電気の一部と外部水道、土間コンクリートそして建具の搬入です。
工事を急いでいるわけではないため、どうしても会社のお客様の住宅を優先しながら進めてきましたが、それもあと少しで再生住宅の完成です。


花火と台風

7月23日
玄関のたたきはしばらく乾くことは無いだろうがそれ以外は生活に支障の無い程度には仕上がったのです。

今日は川越の花火大会の日。
再生した住宅のバルコニーからの花火の様子が良く見える予定です。
家内と息子はコンロと炭を用意してバルコニーでジンギスカンを楽しみながらビールを呑む計画をしている。

眺めも風も良く通るバルコニーで、花火を見るなどささやかな贅沢だと思う。
幸いにして天気も崩れずおいしいジンギスカンとビールで心地よく花火大会を満喫できた。


7月25日
超大型の台風が接近しています。
明日、あさってに掛けて日本列島それも関東地方に上陸の見込みだという。
今日は、カーポートや北側の通路にコンクリートを打設予定でしたが台風のため延期。

約2ヶ月近くにわたって築30年の一般住宅を再生する工事も本当に終盤になってきましたが天気の影響は仕方ありませんね。
土間は養生しても一向に乾きそうも無いので一部はがして割れたところを補修する方向で考えます。
土間の完成後に玄関の式台や下駄箱、収納の家具を作り家具を運び込めばイメージした家が出来上がります。
お盆には、再生現場見学会を行う予定です。
その前に、掛かった費用の原価を公表します。


7月28日
大型台風は幸いにして、関東地方を直撃せずに去りました。
台風一過、猛暑が続いてからだの調子も狂いそうな気がします。
昨日は、網戸がすべて交換されすっきりしました。

今日は山田建具さんが襖の吊込みや玄関庇の裏板を取り付けに来ています。家の中は外に比べて涼しいとは言うものの、動けば汗がドッとあふれてきます。

玄関の引き戸は今まで鍵が付いていなかったので小物を含めた荷物の搬入はしていなかったのですが、今日鍵がつき早速家内は小物の搬入を始めました。それでも、追加で家具を依頼したりしているので建具屋さんの仕事はまだまだ終わりません。これらの仕事が終わったときには素晴らしい再生住宅が出来上がります。

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バルコニー 式台、造作下駄箱、畳敷の広縁



再生住宅  かすみ野  総括

7月30日
新築住宅の3分の1の価格で、自然素材を使った「こだわりの健康住宅」を目指して工事を進めてきました。建替えた場合を基準とするのか、それとも更地に建てた場合なのかによって建築予算は大きく変動します。

それと庭や外柵、車庫など付帯する工事もあるため一概には比較しにくいのは事実ですがそこに現在既に存在している再生住宅の場合は、後からやればいいというわけにはなかなかいきません。

周りが綺麗になれば必然的に気になってしまうからです。
そんなこともあって昨日車庫と北側通路の土間コンクリートが出来ました。穴だらけで汚かった場所だけにすっきりしただけで見違えるように綺麗です。

玄関も含めて鍵が掛かるようになったので妻はお茶道具など小物を少しづつ運び込み始めた。こうなるとせっかく良く出来たなら
「家具も既製品ではなく作りたい」などと予算は膨らむ様子です。照明もすべて新しいものに交換し、あわせて建物にあわせた和紙風のブラインドも取り付け、「エーイ、エアコンも4台新しくしよう」などエスカレートするばかりですがその中でも、セントラル浄水器を取り付けて家中の水をおいしい水、健康な水に替える工事までやってしまいました。

残っている工事は、追加家具工事だけとなりました。
ところで、建替えて新築した場合の金額はどのくらいになるだろうか。

工事面積は、48坪
真壁造りの和風住宅を造るとしたら、坪単価は最低60万かかります。
そうなると、本体工事費は2880万。解体が無かったとしても照明やカーテン、冷暖房で約150万、その他の費用を見込まないとしても最低3000万円は覚悟する必要があります。

土地を購入し新築するとなると莫大な金額が掛かるものです。
建替えるにしても、新築工事の費用負担は大変ですね。
ところで再生住宅の場合の費用が気になると思いますが、裸の工事原価がまとまりました。
すべて税込みの実支払額に、会社の経費を加えたその金額は・・・・・・



再生住宅 かすみ野 『土間のある家』 工事詳細 (税込み)


菅野大工手間975,000円(1人工 20,000円金物代 25,000円)
総人工 47.5人 (内訳 解体人工 20人 造作人工 27.5人)
東海装工180,675円材料工事共 a 8.5㎜コルクタイル 22㎡
あっとホーム1,100,000円既存屋根撤去廃材処理
屋根下地交換新規ガルバリウム鋼板
雨樋交換・板金工事
装建トーヨー702,322円ユニットバスINAX1616
サッシ7ヶ所取り付け
網戸2ヶ所追加・既存網戸交換・サッシクレセント交換
八木原タイル280,000円既存風呂解体撤去、黒御影敷居取り付け
キッチン前タイル・キッチン床・トイレ床タイル材料施工共
タカキ139,230円ウッドデッキ材料 サイプレス
田中タタミ350,000円縁なしタタミ10帖
茶室用タタミ 14帖
一般タタミ 12帖
床の間用薄縁タタミ・炉タタミ
春日美装800,000円シロアリ消毒・木部磨き・工事廃棄物処理 8台
中川塗装800,000円外壁洗い・塗装、破風板・戸袋・雨戸・軒天・バルコニー塗装
塀塗装、内部天井壁塗装、建具塗装
三芳仮設150,000円工事用足場掛け払い
東上ガス105,000円風呂追い炊き釜工事共
武州ガス16,400円既設ガス管撤去費用
北恵55,000円洗面化粧台材料
フォーティフォー1,300,000円構造部材・断熱材・天井材
床材・枠材等、IHナショナルキッチン
トワレ24,200円汲み取り仮設トイレ
サイキグリーン52,122円土間用赤玉土  96袋 運搬共
ファーストケイ773,400円内装仕上げ塗料チャフウオール 4袋
浄水器材料、照明器具、ブラインド
松本設備320,000円既設水道管配水管撤去・新設
ウォッシュレット材工、メーター移設
車庫補修コンクリート、浄水器取り付け
洗面化粧台取り付け
小林電気525,000円カメラドアホン、照明器具取り付け
換気扇4ヶ所取付、既設配線撤去新設等
山田建具1,000,000円下駄箱造作、既存障子、襖張替え
玄関等建具造作、食器棚
式台加工取り付け等
相原左官600,000円外壁補修・外壁漆喰、内部漆喰
京壁塗り、基礎幅木墨モルタル
玄関土間施工、玄関玉石洗い出し
塀幅木墨モルタル
佐藤庭園28,000円植木伐採、掃除片付け
上福岡サービス8,000円電気温水器洗浄
ファーストケイ800,000円デザイン及び現場管理費

税込み工事原価    10,985,349円

経費            2,746,337円 

総合計          13,731,686円

自然素材・健康素材の再生工事です。

*コジマ電気  エアコン4台取り付けは別途 約35万円
下線部分は、他社ではオプション?


再生住宅 かすみ野 ビフォア・アフター 

各所の検証を行いながら、2ヶ月をかけて工事が完了しました。
大掛かりな間取り変更などは行わず、自然素材を用いた再生工事の概要です。


再生前 再生後
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玄関先の様子
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玄関内部 建具、下駄箱を一新
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広縁 畳敷きに変更、奥は水屋
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kasumifin006a.jpg 写真 左上 再生前 玄関脇の和室
写真 右上 工事中の様子
写真 左下 玄関とつながりのある土間空間
kasumifin007.jpg kasumifin007c.jpg
kasumifin007a.jpg 写真 左上 再生前 和室つづき間
写真 右上 工事中の様子
写真 左下 再生後の様子
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床の間、書院 京壁 畳をリフレッシュ
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旧浴室 ユニットバスに変更
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旧洗面所 内装・洗面台を一新
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旧トイレ 小物棚をつけ使いやすく
kasumifin010.jpg kasumifin010c.jpg
kasumifin010a.jpg 写真 左上 再生前 キッチン
写真 右上 工事中の様子
写真 左下 明るく清潔な印象になりました
kasumifin011.jpg kasumifin011a.jpg
2F寝室 内装は白で統一し、床は無垢フロア
kasumifin001.jpg kasumifin001a.jpg
外観① 明るくモダンな印象へ
kasumifin002.jpg kasumifin002a.jpg
外観② 外塀も化粧直し

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